カプセル化技術
クローダビューティーは、化粧品原料およびフレグランス向けに、さまざまな粒子サイズと機能やメリットを備えたカプセル化技術を提供しています。
カプセル化の利点
美容業界におけるカプセル化とは、有効成分を構造内部に封入したマイクロまたはナノサイズのカプセルを用いる技術です。これにより、化粧品に次のような利点がもたらされます。
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有効成分の効果を向上させる
- 有効成分を生体ターゲットに届けるための、より精密で制御されたデリバリーを実現する
- 有効成分の安定性を高める
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最終製剤における使用感を向上させる(1)
クローダビューティーのカプセル化製品
カプセル化は、一部の美容有効成分のパフォーマンスを向上させるために当社が採用している技術です。現在、この技術を活用した製品シリーズを展開しています。
Matrixyl Neolide™(マトリキシル ネオライド)は、 当社の代表的なペプチドであるMatrixyl™(マトリキシル)の高度なカプセル化バージョンです。従来のマトリキシルと比較して、15日以上にわたるペプチドの持続放出を実現し、酵素分解に対して13倍の保護効果を提供します。これにより、皮膚でのバイオアベイラビリティが向上します。結果として、マトリキシルネオライドはたった15日間の利用で小じわと肌全体の弾力に対して2倍の改善効果があります。
ReVitAlide™(レビタライド)は、水中分散型のカプセル化レチノールです。非カプセル化の遊離レチノールとの比較試験では、カプセル化されたレチノールは紫外線、空気、温度による分解からより保護されることが示されており、製剤への配合が容易になります。また、独自のキャリアシステムにより、高いバイオアベイラビリティと良好な皮膚適合性を実現しています。経皮浸透試験では、レチノールが制御された形で放出されることが確認されています。
Crystalide™(クリスタライド)は、韓国発の「ガラス肌」コンセプトに着想を得た、初のバイオミメティック(生体模倣)ハイライターペプチドです。ペプチドpal-KTFKを正確に表皮へ届けるキャリアシステムにより、表皮の成熟プロセスの調整とαクリスタリンタンパクの促進によりクリスタルスキンに導きます。
皮膚浸透 ― ターゲットデリバリー
カプセル化の目的は、有効成分がどのように皮膚へ浸透し、どのタイミングで放出されるかを制御することです。
一般的に、ナノサイズの球状粒子は角質層へ良好に浸透するため、ナノサイズにカプセル化された粒子は皮膚浸透において非常に効果的です。カプセル内の有効成分は、皮膚表面の層(角質層)から最も深い層(真皮)まで、異なる深さへと浸透することが可能です。
毛包、皮脂腺、血管、感覚受容器などを含む、ヒト皮膚の各層を示した断面の詳細図
カプセル化された有効成分は、以下のいずれかのメカニズムによって皮膚へ浸透します。
- 有効成分がカプセルから放出され、角質層の表面に拡散する
- カプセル構造が角質層内の脂質と融合する
- カプセル構造が圧縮され、皮膚細胞の隙間を通って角質層を移動する(インタクト浸透)
- カプセル構造が毛包周囲の隙間に入り込む(毛包ターゲティング)
- カプセル構造が毛穴や細かいシワ、溝に留まり、時間をかけて有効成分を放出する(溝への沈着および放出)
カプセル化の種類
カプセル化には多くの手法が存在します。これらは、脂質、ペプチド、ポリマー、金属、シクロデキストリン(糖由来分子)など、さまざまな材料から作られます。また、ナノサイズ(ナノカプセル化)とマイクロサイズ(マイクロカプセル化)の両方のサイズで存在します。これらは、以下のように分類することができます。
1. ベシクルシステム
ベシクルシステムとは、内部に水相(アクアフェーズ)を持つ閉じた膜構造であり、水溶性の有効成分を内包することができます。これらの膜は、1層または複数の二重膜(バイレイヤー)によって構成されています。スキンケアにおいて最も一般的に使用されるのは「リポソーム」と呼ばれるタイプで、リン脂質から構成されています。リポソームは、単一の脂質二重膜からなるユニラメラ(単層)構造のものや、複数の層を持つマルチラメラ(多層)構造のものがあります。
一方で、ベシクルシステムにはいくつかの欠点もあります。特に界面活性剤との相性が悪く、界面活性剤が二重膜構造を破壊または崩壊させる可能性があるため、物理的安定性が低下することがあります。(2)

豆知識: セダーマ社は、1985年に美容業界で初めてカプセル化技術を開発しました。この技術にはリポソームが使用されていました。
2. マトリックスシステム
これらは、固体または半固体の粒子で構成されており、1つの連続した材料の中に有効成分が均一に分散しています。例えるなら、ナッツが全体に均一に混ざり込んだチョコレートの固まりのような構造です。
このシステムは、脂質、ポリマー、無機材料などから作られます。脂質系のマトリックスシステムには、主に以下の2種類があります。
固体脂質ナノ粒子 (SLN)
これらは、固体脂質からなるコア(50〜1000nm)を持つナノ粒子で、その周囲を界面活性剤が取り囲む構造をしています。

有効成分は、以下の3つの方法で配合できます。
- マトリックス全体に均一に分散される
- 外層の一部として配合する
- 中心部に配合する
ナノ構造脂質キャリア (NLC)
NLCは特定の比率で混合された固体および液体の脂質と界面活性剤から構成されています。NLCは一般的に、SLNと比較して有効成分をより多く保持できるほか、保存中に有効成分が排出されるのを防ぐ点で優れています。

NLCには以下の3種類があります。
不完全型 – 固体脂質の中に緩やかな(ルーズな)構造を持つ領域が存在し、「ソフト」な部分が形成されます。これにより、有効成分を取り込むための追加スペースが生まれます。
多重型 – 固体脂質の中に油相の領域が含まれており、その油相に有効成分が取り込まれる構造です。
アモルファス型 – 非結晶性の脂質構造で、前述の2タイプよりも剛直性が低く、より柔軟で無秩序な構造を持っています。有効成分が好む相に応じて、より多くのスペースを提供できる可能性があります。(3)(4)(5)
NLCは一般的に、SLNと比較して有効成分をより高濃度で保持でき、保存中の有効成分の排出を抑制する点で優れています。 [4]
3. 包接複合体

これらは「ホスト分子」と呼ばれる分子から構成されており、その内部には分子ポケットと呼ばれる空洞があります。この分子ポケットの中に「ゲスト分子」が取り込まれることで、ホスト–ゲスト複合体が形成されます。
シクロデキストリンは代表例の一つです。ドーナツ状の構造を持つ糖分子で、中央に空洞を有しており、この空間を利用して、化粧品用途では不快な臭いをマスキングすることができます。(6)
4. コアシェルカプセル

コアシェルカプセルは、2つの明確な要素から構成されています。通常、有効成分を含む「コア(核)」と、そのコアを保護する別素材の「シェル(殻)」です。このタイプのカプセル化は、幅広い材料で作製でき、かつ製剤への組み込みが容易であるため、化粧品業界で最も広く使用されています。
また、有効成分を物理的に保護し分離することで、成分同士の不適合(配合トラブル)を防ぐ役割も果たします。この構造により、より高濃度の有効成分をシステム内に取り込むことも可能になります。コアは通常疎水性であり、ポリマーや脂質によって取り囲まれています。当社では、この構造を用いてカプセル化された香料製品を幅広く展開しています。
カプセル化技術は、有効成分に保護層を付与することを目的として開発されていますが、同時に、カプセル内の有効成分量が適切な濃度に達し、皮膚上で十分な効果を発揮できることも重要です。
(1) Encapsulation in Cosmetics – Innovation in Skincare | Grand
(2) Shoji, Y., Igarashi, T., Nomura, H., Eitoku, T., & Katayama, K. (2012). Liposome solubilization induced by surfactant molecules in a microchip. Analytical Sciences, 28(4), 339–345.
(3) Technological strategies for the preparation of lipid nanoparticles: an updated review Stefan Stefanov1 , Viliana Gugleva1 , Velichka Andonova
(4) Lipid nanoparticles as novel delivery systems for cosmetics and dermal pharmaceuticals Carmelo Puglia† & Francesco Bonina † University of Catania, Department of Drug Sciences, Faculty of Pharmacy, Catania, Italy
(5) Haider, M., Abdin, S. M., Kamal, L., & Orive, G. (n.d.). Nanostructured lipid carriers for delivery of chemotherapeutics: A review.
(6) Cyclodextrin-based dermatological formulations: Dermopharmaceutical and cosmetic applications Melo a b, Sofia Rabaça a, Ankita Mathur c, Ankur Sharma d, Prabhanjan S. Giram e f, Kiran D. Pawar g, Abbas Rahdar h, Faisal Raza i, Francisco Veiga a b, Priscila Gava Mazzola j, Ana Cláudia Paiva-Santos a b