アジア太平洋(APAC)発・次世代ヘアケアトレンドを読み解く

APACヘアケアイノベーションを彩る主要トレンド
1. ダメージ補修は分子レベルへ
自宅でのカラーリングや熱スタイリングの普及により、結合補修技術、ディープトリートメント、そして髪を芯から強化する処方へのニーズが急速に高まっています。(1) 各ブランドは壊れた化学結合を分子レベルで補修し、ケラチン繊維を強化することで、髪本来の構造を再構築するアプローチへとシフトしています。下のグラフは、結合補修がニッチなケアから世界的スタンダードへの進化の流れを示しており、“サイエンス主導のダメージ修復”と“長期的な髪の健康”への明確なトレンド転換を物語っています 。(2)
図1. 高度なダメージ補修と健やかな髪へのニーズ拡大に牽引され、結合修復は世界的な広がりを見せています。本グラフは SemRush によるグローバルデータです 。(2)
注目の事例としては、Olaplex に代表されるボンディングトリートメントが、サロン専用ケアから日常のホームケアへと一気に広がりを見せています。さらに、APACのトップブランドも、ダメージを補修するだけでなく、未来のストレスからキューティクルを守る革新的テクノロジーを次々と発表しています。
クローダの提案:
- KeraBio™ K31(ケラバイオ K31): バイオテクノロジー由来のケラチンブースターが、毛髪内部の強度を再構築し、レジリエンスを高め、将来的なダメージ耐性も向上します。
- Crodabond™ CSA(クロダボンド CSA): ナチュラル由来の結合修復原料が開いたキューティクルを密着補修し枝毛を防ぎ、なめらかで健やかな髪へ導きます。
- Keravis™(ケラビス): 植物由来の多機能ぺプチドが毛髪繊維を内側から補強し、柔軟性を高め切れ毛を防ぎます。
- KeraMatch™ V(ケラマッチ V): ヴィーガンケラチンの代替成分がダメージを受けた毛髪繊維を補修し、ハリとコシを与え、持続的な健康美をサポートします。
2. 環境ストレスに対応したうねり防止対策へ
紫外線や高湿度、大気汚染といった外的要因は、APACの生活環境において、“うねり髪”を引き起こす特に顕著な課題です。それにより、うねりを抑制しまとまりやすい髪を叶えるケアへの関心は年々高まっており、市場規模も今後大きく成長すると予測されています。(3)-(4) 特に、髪が常に外的ストレスにさらされる傾向にある都市部では、うねりを抑え、長期的に髪を守るソリューションがますます重要になっています。(5)
さらに、研究レベルでも、紫外線による毛髪内部のジスルフィド結合の破壊が、うねりの要因として報告されています。これを受けて、うねり対策の成分を組み合わせた処方が求められています。
クローダの提案:
- FibraShield™ C(フィブラシールド C): ひよこ豆由来のヴィーガン対応マルチペプチドがフリーラジカルを中和し紫外線・オゾン・大気汚染などの外的ストレスから髪を守り、健やかで輝きのある美髪へ導きます。
- ProleviumSB™(プロレビウム SB): コットン由来のプロテインが、湿気によるうねりを抑制し、まとまりのある柔らかな仕上がりを実現します。
3. 抜け毛を防ぎ、美しい髪を育むホリスティックケア
頭皮の健康への注目が高まる中、APAC市場では“頭皮環境の改善”と“抜け毛予防”を両立させる製品が急成長しています。(5) 中国では約2億5千万人もの人々が抜け毛に悩み、平均発症年齢はわずか30歳前後。こうした若年層のニーズを背景に、2022年には81%が抜け毛対策の製品を購入し、APACにおける製品発売数は2020年以降2倍以上に増加し、2024年も高い水準を維持しています。(6)
商業トレンドとしては、ジンセン(高麗人参)やプロバイオティクス、ペプチドなどを活用した頭皮オイルが登場し、抜け毛を“根本から”ケアするアプローチが進んでいます。さらに、植物由来のDHT抑制成分やカプセル化された有効成分も注目を集めています。
クローダの提案:
- Procapil™(プロキャピル): 毛根を強化し毛包のエイジングを抑制し、ハリとコシのある健やかな髪の成長をサポートするパワフルなペプチド複合体です。
- Apiscalp™(アピスカルプ): 頭皮の炎症を抑制し、フケやかゆみを軽減し、快適なスカルプ環境へと整えることで、美しい髪の育成を根本からサポートします。
4. 自然なツヤとなめらかさで、“美髪印象”アップデート
中国、日本、韓国といった市場では、艶やかでなめらかな髪が“健康的かつ洗練された美”の象徴とされています。WGSNの調査でも、“髪のツヤ”は消費者が最も重視する要素のひとつであり、光沢感の演出が注目を集めています。
商業トレンドとしては、シリコンフリーのグロッシングセラムが注目されており、ナチュラル成分や次世代成分を用いた処方が、重さを感じさせない自然な輝きを叶えています。
クローダの提案:
- Crodamol™ GTS(クロダモルGTS): ナチュラル由来の高機能エモリエントが髪に透明感のある輝きとなめらかさを与え、ヘアカラーの退色を防止 - 2025年C&T Allē Award「Best Hair/Scalp Base Ingredient」を受賞。
- Incroquat™ OSQ(インクロクアット OSQ):多機能な油溶性カチオンが髪を柔らかくしなやかに整え、絡まりを防ぎながら軽やかなコンディショニング効果をもたらします。 (詳しくは最寄りのクローダオフィスまでお問い合わせください)
- Crodazosoft™ DBQ(クロダゾソフト DBQ): キューティクルを保護・補強することで、やわらかさを与えカラーを保持し、なめらかな櫛通りを叶えます。
5. 多機能ヘアオイルによるミニマルケア
時短思考の高まりを背景に、少ないステップで複数の効果を得られるハイブリッド型製品が人気を集めています。APAC市場でも、UV防止や熱保護、スタイリング機能を兼ね備えたアウトバストリートメントのオイルが急成長しています(7)
クローダの提案:
- Cropure™ Tomato Seed Oil(クロピュアトマトシードオイル): リノール酸を豊富に含み、軽やかなまとまり感となめらかな質感、自然な光沢感を与えます。
- Cropure™ Meadowfoam(クロピュアメドフォーム): 長鎖不飽和脂肪酸が90%以上を占める独自の脂肪酸組成が上質な感触を生み出し、上品なツヤ感のあるなめらかな髪へと導きます。
- Cropure™ Macadamia(クロピュアマカダミア): パルミトイル酸を含有し、硬くなった髪にもなじみやすく、しっとり柔らかな仕上がりを叶えます。
6. 自然と科学の融合による美髪への確かな手応え
合成添加物に対する消費者の懐疑心が高まる中、ナチュラル成分を活かしつつ、安定性や効果、使用感を確保する処方が求められています。(8) 業界のアプローチとしては、カプセル化、発酵、そしてバイオミメティック設計といった先端技術により、自然由来成分の機能を最大限に引き出す取り組みが加速しています。
クローダの提案:
- Sphingo Hair™ Drypure™(スフィンゴヘア ドライピュア): 頭皮の炎症を和らげ、ヘアアイロンやドライヤーの熱ダメージから髪を守り、うるおいとやわらかさ、ツヤを与えます。
- Kerestore™ 2.0 SB(ケレストア 2.0 SB): 最新のプロテオミクス研究に基づく次世代ケラチンが毛髪表面のダメージ部位を選択的に補修し、健やかでしなやか質感へと導きます。
7. 個別対応ヘアケアによるパーソナライズ化
ストレートからカールヘアまで、多様な髪質や文化的背景に応じたパーソナライズド処方のニーズが拡大しています。韓国・日本市場では、“なめらかさ”とや“まとまり”を訴求するパーソナライズ対応が進んでいます。
クローダの提案:
- KeraDyn™ HH(ケラディン HH):摩擦を軽減し、毛髪繊維を整えて、空気のように軽やかで弾む髪を叶えます。
- SP Crodazoquat™ MCC MBAL(SPクロダゾクアットMCC MBAL):独自設計のカチオンが、様々な人種や髪質に対し優れたコンディショニング効果と櫛通り改善を提供します。
APACヘアケア市場は、確かな効果と心地よい使用感、そして一人ひとりに寄り添うパーソナライズ対応を求める消費者ニーズにより、急速に進化を続けています。クローダは、幅広い原料ポートフォリオを通じて、ダメージ補修、スカルプケア、ツヤ感向上、ミニマルケアなど、多彩なアプローチでブランドの製品開発を支援します。
貴社の次なるヘアケア開発に向けて、ぜひクローダの営業担当までご相談ください。
References:
1- Mordor Intelligence
2- SemRush
3- OpenPR
4- Data Intelo
5- Cosmetics Business
6- Daxue Consulting
7- Research and Markets
8- Cosmetics Design Asia